2016. 04. 30 配信分

Vol.2  文具店のおばちゃんに学ぶ

こんにちは。店長tacoです。


今この、物が溢れる時代において、
mergeの果たす役割とは何だろうと
ふと考えることがある。


存在意義。


先日、文房具を買った。
三宮の駅前ビルにある、
昔ながらの文房具店で。

「店内いつでも2割引」のPOPと、
2016年のダイアリーや見切り品の文房具、
いろいろな物が無造作に入れられた段ボールが
床にずらりと並んだ入り口に、
昭和の懐かしさを感じて、フラっと入った。
フリクションやマスキングテープなど
流行りの文具から業務用レジやアルバム、
ファイル、学童用文具など
品揃えが豊富な店内をウロウロすること2、30分。
一筆箋とマスキングテープ、子供の文房具を
数点手に取ってレジに向かった。

70過ぎくらいのおばちゃんがレジに立っていて、
私が商品を差し出すと、

わぁ、ありがとうねー。
はい、120円が3点と
そして、あーこれね、ありがとうねー。
あそこにあったヤツね、
300円ね、ありがとう。
それから、これはねー、100円ね。
はい、ありがとう。
とにかく「ありがとう」を連発するおばちゃん。
もはや「ありがとう」のシャワー状態だ。

「ありがとう」の言葉で、
人はこんなにも気分が良くなるものなのかと、
自分でも驚くほど、
とても気持ちが良くて、
店を後にする時には思わず笑みが溢れていた。

子供と一緒だったのだが、
「すごく素敵なおばちゃんやね。
なんかお母さん、
とっても嬉しくて気持ちがいいわ」と
口にしていたと思う。

あの年齢で元気に働く姿は
尊敬以外の何ものでもないし、
合計824円の買い物で、
その金額の何十倍もの
気持ちよさを貰ったような、
清々しい気持ちだった。
そして、またこの文具店に来たいと思った。
また、あのおばちゃんに会いたいな、と。

と同時に、
インターネットは便利だけれど、
こんな風に心が通う感覚は
味わえないなと痛感した。


便利である事が当たり前、
少しでも早く、出来るだけ安く、と
あまりにもせっかちに、
そこに人が関わっていること、
人には心があるのだということを
忘れがちではないだろうか。
「本来、人は人と会っている時が
一番自然なのでは?」と
先日の、ほぼ日の
糸井重里さんの言葉に共感を覚えた。

人と関わりを持つこと。
顔を見て話をすること。
人間としてとても自然な事のはずなのに、
なんだか、とても特別な感じがする。

スターバックスより、
安くて美味しいドトールより、
おばちゃんが営む純喫茶が好きなのは、
おばちゃんの淹れてくれたコーヒーが
美味しいのはもちろん、
心からの気持ちのこもった
「ありがとう」が聞きたいから
なのかも知れないなぁと思う。


人が五感を使うのは、
食事をしている時だけではない。
買い物をするときも、
五感を使って満足を得ているはずだ。
目で見て、手で触り、匂いを嗅ぎ、
耳で聞いて、味わう・・・

私が文房具店で買い物をして得た満足感は、
ただ安く買えた事だけでない。

おばちゃんが元気に働く姿を見て感動し、
おばちゃんの声と心、
その温かみを感じたからだ。
そして、店内の何ともいえない
昭和な匂いにも懐かしくてホッとした。


mergeの存在意義を考えるとき、
あの文房具店のおばちゃんに私が感じたのと同じ
清々しい気持ちよさ、心地よさを
与えられる存在でありたいと思う。


対面で、

電話で、

メールで、

時にはWeb上かも知れないが、
どんな手段であっても、
「心からのありがとう」の
気持ちの大きさは変わらない。


いつもmergeをご愛顧いただき、
本当にありがとうございます。

私はいま、
お客様一人ひとりにお会いして
ありがとうを伝える機会は作れないものかと
考えています。

では、また来週金曜にお目に掛かります。
素敵なGWをお過ごしくださいませ。
Have a nice holiday!!




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